これまでの記事で、位置 $q$ と速度 $\dot{q}$ を変数とするラグランジュ形式と、オイラー・ラグランジュ方程式について解説しました。
オイラー・ラグランジュ方程式は2階の微分方程式です。
$$\frac{d}{dt} \left( \frac{\partial L}{\partial \dot{q}} \right) – \frac{\partial L}{\partial q} = 0$$
前回の記事はこちらです↓↓↓

本記事では、ルジャンドル変換を用いて新しい関数であるハミルトニアンを導入していきたいと思います。
それではやっていきましょう!(^^)!
一般化運動量の定義
ラグランジュ形式から新しい形式へ移行するため、速度 $\dot{q}$ に代わる新しい独立変数を設定します。
ラグランジアン $L(q, \dot{q}, t)$ を一般化速度 $\dot{q}$ で偏微分したものを、一般化運動量 $p$ と定義します。
$$p = \frac{\partial L}{\partial \dot{q}}$$
自由度が複数ある系においては、添字 $i$ を用いて $p_i = \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i}$ と表記します。
デカルト座標系における自由粒子の場合、この定義による $p$ はニュートン力学における通常の運動量 $mv$ と一致します。

力学系におけるルジャンドル変換
独立変数を $\dot{q}$ から $p$ へ変換する際、単なる代入を行うと関数が持つ力学的な情報が失われます。
情報を完全に保持したまま変数変換を行うため、ルジャンドル変換を適用します。
ルジャンドル変換について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください↓↓↓

数学的なルジャンドル変換の式 $g(p) = px – f(x)$ と、力学系の変数には以下の対応関係があります。
- 元の変数 $x$ $\rightarrow$ 速度 $\dot{q}$
- 元の関数 $f(x)$ $\rightarrow$ ラグランジアン $L$
- 新しい変数 $p$ $\rightarrow$ 運動量 $p$
- 新しい関数 $g(p)$ $\rightarrow$ ハミルトニアン $H$
ハミルトニアンの定義
上記の対応関係に従い、新しい関数であるハミルトニアン $H(q, p, t)$ を以下の式で定義します。
$$H(q, p, t) = \sum_{i} p_i \dot{q}_i – L(q, \dot{q}, t)$$
この式における $\sum_{i}$ は、系のすべての自由度に関する和を表します。
計算の際、右辺には速度 $\dot{q}_i$ が含まれています。
ハミルトニアン $H$ は位置 $q$ と運動量 $p$ の関数として表す必要があるため、一般化運動量の定義式 $p_i = \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i}$ を $\dot{q}_i$ について解き、右辺の $\dot{q}_i$ に代入して変数を消去する処理を行います。
多くの場合、この手順で定義されるハミルトニアン $H$ は、系の全エネルギー(運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和)に等しくなります。

まとめ
いかがだったでしょうか
本記事では、一般化運動量 $p$ を定義し、ルジャンドル変換を用いてラグランジアンからハミルトニアンへの変換を行いました。
これにより、独立変数が位置と速度の組 $(q, \dot{q})$ から、位置と運動量の組 $(q, p)$ へ移行しました。
次回の記事では、このハミルトニアンの全微分を計算し、実際の運動方程式であるハミルトンの正準方程式を導出していきたいと思います(^^)/
ではまた!


