ルジャンドル変換とは?幾何学的な意味と定義、具体的な計算手順を解説

微分方程式

関数 $f(x)$ を扱う際、変数 $x$ の代わりに曲線の傾き $p = f'(x)$ を新しい変数として使いたい場面があります。

しかし、単に $x$ を $p$ に置き換えるだけでは問題が生じます。

例えば、$f_1(x) = x^2$ と $f_2(x) = x^2 + 3$ という2つの異なる関数があるとします。

これらを微分すると、どちらも $p = 2x$ となり、元の関数の「高さ($y$切片)」の情報が失われてしまい区別がつきません。

関数の持つ情報を完全に保持したまま、独立変数を「位置 $x$」から「傾き $p$」へ変換する数学的な操作、それが「ルジャンドル変換」です。

今回はこのルジャンドル変換について扱っていきたいと思います(^^)/

通常、関数 $y = f(x)$ のグラフは「座標 $(x, y)$ にある点の集まり」として描かれます。

しかし、見方を変えると、曲線は「無数の接線が包み込む輪郭」として表現することもできます。

ある点 $x$ における接線の方程式を考えます。傾きを $p$、$y$切片を $-g$ と置くと、接線の式は以下のように書けます。

$$y = px – g$$

(※切片をあえて $-g$ とマイナスで置くのは、後々の定義式を美しくするための数学的な慣習です。)

この接線が元の曲線 $y = f(x)$ と接する点では、$f(x) = px – g$ が成り立ちます。これを $g$ について解くと、次の式が得られます。

$$g = px – f(x)$$

この $g$ は傾き $p$ ごとにただ1つ決まるため、$p$ の関数 $g(p)$ として表すことができます。

曲線を「点の集まり」から「接線の集まり」に変換することで、元の形状の情報を逃さずに変数を乗り換えているのが、ルジャンドル変換の幾何学的な本質です。

ルジャンドル変換によって得られる新しい関数 $g(p)$ は、以下の式で定義されます。

$$g(p) = px – f(x)$$

具体的な計算は、以下の3ステップで行います。

  1. 元の関数 $f(x)$ を微分し、傾き $p$ を求める($p = f'(x)$)。
  2. 求めた式を $x$ について解き、$x$ を $p$ の関数 $x(p)$ として表す。
  3. 定義式 $g(p) = px – f(x)$ の $x$ に $x(p)$ を代入し、$p$ だけの関数にする。

【計算例】

$f(x) = \frac{1}{2}x^2$ をルジャンドル変換してみます。

  • ステップ1: 微分すると $p = x$ になります。
  • ステップ2: この式を $x$ について解くと $x = p$ です。
  • ステップ3: 定義式に代入します。$$g(p) = px – f(x) = p(p) – \frac{1}{2}p^2 = \frac{1}{2}p^2$$

このように、情報を失わずに独立変数を $x$ から $p$ へ変換した新しい関数 $g(p) = \frac{1}{2}p^2$ が得られました。

ルジャンドル変換は、単なる文字の置き換えではなく「接線の傾き」と「切片」の関係性を利用することで、元の関数の情報を完全に保存したまま変数を変換する数学的手法です。

この仕組みを理解しておくと、特定の変数を別の変数(速度から運動量など)にすり替えたい場面で、理論の飛躍につまずくことなく数式の意味を読み解くことができます。

今回は以上になります(^^)

ではまた!

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