逆三角関数arcsin,arccos,arctanの微分公式を導出してみる

微分積分

こんにちは!

バタバタしていて久しぶり(約1年ぶり)の投稿になりました^^;

今回は、物理や数学を学んでいると、ふとした時に登場する「逆三角関数」。

これらを微分するとどのような形になるのか、公式とその導出過程を分かりやすく解説していきます!

まずは結論から。逆三角関数の微分公式は以下の通りです。

$$\frac{d}{dx} \arcsin x = \frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \quad (-1 < x < 1)$$

$$\frac{d}{dx} \arccos x = -\frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \quad (-1 < x < 1)$$

$$\frac{d}{dx} \arctan x = \frac{1}{1+x^2}$$

ルートが出てきたり、分母に $x^2$ があったりと、元の三角関数からは想像しにくい形をしていますね。では、なぜこの形になるのかを導出していきましょう。

導出には「逆関数の微分法」を使います。

$y = f(x)$ の逆関数 $x = f^{-1}(y)$ において、以下の関係が成り立ちます。

$$\frac{dy}{dx} = \frac{1}{\frac{dx}{dy}}$$

つまり、$x$ で微分するのが難しければ、「$x = \dots$」の形にして $y$ で微分し、その逆数を取ればよいということです。

また、逆三角関数を定義するためには、多価関数(1つの $x$ に対して複数の $y$ が対応してしまう状態)を防ぐために、$y$ の範囲(主値)を制限する必要があります。

  • $\arcsin x$ の主値:$-\frac{\pi}{2} \leq y \leq \frac{\pi}{2}$
  • $\arccos x$ の主値:$0 \leq y \leq \pi$
  • $\arctan x$ の主値:$-\frac{\pi}{2} < y < \frac{\pi}{2}$

これが導出の途中で非常に重要な役割を果たします。

$\arcsin x$ の微分

$y = \arcsin x$ とおきます。これは $x = \sin y$ と同じ意味です。

両辺を $y$ で微分します。

$$\frac{dx}{dy} = \cos y$$

逆関数の微分法 $\frac{dy}{dx} = \frac{1}{\frac{dx}{dy}}$ より、

$$\frac{dy}{dx} = \frac{1}{\cos y}$$

ここで、結果を $x$ の式に戻すために $\cos^2 y + \sin^2 y = 1$ を使って $\cos y$ を変形します。

$$\cos y = \pm \sqrt{1 – \sin^2 y} = \pm \sqrt{1 – x^2}$$

プラスかマイナスかを決めるために主値を確認します。

$\arcsin x$ の主値は $-\frac{\pi}{2} \leq y \leq \frac{\pi}{2}$ です。この範囲では常に $\cos y \geq 0$ となります。(※分母が0になる $y = \pm\frac{\pi}{2}$、つまり $x = \pm1$ は除外します)

したがって、$\cos y = \sqrt{1 – x^2}$ となり、公式が導かれます。

$$\frac{d}{dx} \arcsin x = \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$$

$\arccos x$ の微分

$y = \arccos x$ とおきます。すなわち $x = \cos y$ です。

両辺を $y$ で微分します。

$$\frac{dx}{dy} = -\sin y$$

逆関数の微分法より、

$$\frac{dy}{dx} = -\frac{1}{\sin y}$$

$\arcsin x$ の時と同様に、$\sin y = \pm \sqrt{1 – \cos^2 y} = \pm \sqrt{1 – x^2}$ と変形します。

$\arccos x$ の主値は $0 \leq y \leq \pi$ です。この範囲では常に $\sin y \geq 0$ となります。

したがって、$\sin y = \sqrt{1 – x^2}$ となり、公式が導かれます。

$$\frac{d}{dx} \arccos x = -\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$$

$\arctan x$ の微分

$y = \arctan x$ とおきます。すなわち $x = \tan y$ です。

両辺を $y$ で微分します。

$$\frac{dx}{dy} = \frac{1}{\cos^2 y}$$

逆関数の微分法より、

$$\frac{dy}{dx} = \cos^2 y$$

ここで、三角関数の相互関係 $1 + \tan^2 y = \frac{1}{\cos^2 y}$ を使います。

これを変形すると $\cos^2 y = \frac{1}{1 + \tan^2 y}$ となります。

$\tan y = x$ を代入すれば、あっという間に公式の完成です!

$$\frac{d}{dx} \arctan x = \frac{1}{1+x^2}$$

($\arctan x$ は二乗の形になるため、主値による符号の考慮は不要です)

いかがでしょうか(^^)/

今回のまとめです。

逆三角関数の微分公式を暗記ただ暗記するのではなく、導出からできるようになればめっちゃ便利ですね(^^♪

ではまた!

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