線形2階以上の常微分方程式の解き方!斉次の場合

微分方程式

こんにちは(^▽^)

今回は2階以上の線形常微分方程式について扱っていきます。(おもに2階について扱います。)

今回マスターしたいことは、非斉次において

\( y = e^{\lambda x} \) を用いて一般解を求められるようになる

ことです。

それではやっていきましょう

前回の記事はこちら↓↓↓

以下の線形2階常微分方程式

$$ y^{\prime\prime}(x) + py'(x) + qy(x) = 0 $$

この一般解を求めよ。

このような方程式の一般解を求めてみましょう。

ここでさっそくポイントです。

この方程式の基本解を \( y = e^{\lambda x} \) と仮定して方程式に代入してしまうのです。

実際に代入してみると

$$ \lambda^2 e^{\lambda x} + p\lambda e^{\lambda x} + qe^{\lambda x} = 0 $$

よって

$$ \lambda^2 + p\lambda + q = 0 $$

このように \( \lambda \) だけの二次方程式になりました。

この式を特性方程式といいます。

この特性方程式の判別式を \( D = p^2-4q \) とおいたときに

それぞれで一般解を求めてみましょう。

2つの異なる実数解( \(D\gt0\) )のとき

まずは \( D \gt 0 \) : \( \lambda \) が2つの異なる実数解をもつときから考えていきましょう。

特性方程式の解は

$$ \lambda = \frac{-p \pm \sqrt{D}}{2} x $$

となります。これより一般解は任意定数 \( C_{1}\) 、\( C_{2}\) を用いて

$$ y(x) = C_{1}e^{\frac{-p+\sqrt{D}}{2} x}+C_{2}e^{\frac{-p-\sqrt{D}}{2} x} $$

となります。

重解( \(D=0\) )のとき

つぎは\( D = 0 \) : \( \lambda \) が重解のときです。

特性方程式の解は

$$ \lambda = -\frac{p}{2} $$

と、重解になります。

このとき、微分方程式の一般解は

$$ y(x) = (C_{1}+C_{2}x)e^{-\frac{p}{2}x} $$

となります。

2つの異なる虚数解( \(D\lt0\) )のとき

さいごは\( D \lt 0 \) : \( \lambda \) が2つの異なる虚数解をもつときです。

特性方程式の解は

$$ \lambda = \frac{-p \pm i\sqrt{|D|}}{2} x $$

となります。ここで \( \omega_{0} = \frac{\sqrt{|D|}}{2} \) とおくと、

$$ y(x) = C_{1}e^{{-\frac{p}{2}+i\omega_{0}}x}+C_{2}e^{{-\frac{p}{2}-i\omega_{0}}x} $$

よって

$$ y(x) = e^{-\frac{p}{2}x}\{ C_{1}e^{i\omega_{0}x}+C_{2}e^{-i\omega_{0}x} \} $$

となります。

オイラーの関係式を用いた変換

つぎはオイラーの関係式

\( e^{\pm iz} = \cos z \pm i\sin z \)

を使って \( \lambda \) が2つの異なる虚数解の場合についての一般解を書き換えてみたいとおもいます。

さきほど求めた通り一般解は、

$$ y(x) = e^{-\frac{p}{2}x}\{ C_{1}e^{i\omega_{0}x}+C_{2}e^{-i\omega_{0}x} \} $$

でしたね。

これにオイラーの関係式を用いると、

\( C_{1}e^{i\omega_{0}x}+C_{2}e^{-i\omega_{0}x} \)

\( = C_{1}\{ \cos(\omega_{0}x)+i\sin(\omega_{0}x) \} + C_{2}\{ \cos(\omega_{0}x)-i\sin(\omega_{0}x) \} \)

\( = A\cos(\omega_{0}x)+B\sin(\omega_{0}x) \)

ここで、 \( A=C_{1}+C_{2} \) 、 \( B=i(C_{1}-C_{2}) \) とおきました。

これより、一般解は

$$ y(x) = e^{-\frac{p}{2}x}\{ A\cos(\omega_{0}x)+B\sin(\omega_{0}x) \} $$

と表すことができます。

つぎは3階以上の常微分方程式について扱っていきます。

解き方は2階の時と同様、 \( y=e^{\lambda x} \) を基本解と仮定して代入し、特性方程式を作るという流れになります。

それではやっていきましょう。

問題1

以下の微分方程式

$$ y^{(3)}(x)+2y^{\prime\prime}(x)-y'(x)-2y(x)=0 $$

の一般解を求めよ。

[解法]

まずは \( y=e^{\lambda x} \) を基本解と仮定して微分方程式に代入します。

$$ \lambda^3+2\lambda^2-\lambda-2 = 0 $$

特性方程式ができました。解 \( \lambda \) を求めます。

左辺を因数分解すると、

$$ (\lambda-1)(\lambda+1)(\lambda+2) = 0 $$

となるので

$$ \lambda = -2 , -1 , 1 $$

となります。よって微分方程式の一般解は

$$ y(x) = C_{1}e^{-2x}+C_{2}e^{-x}+C_{3}e^x $$

と求めることが出来ました。

問題2

以下の微分方程式

$$ y^{(4)}(x)-18y^{\prime\prime}(x)+81y(x)=0 $$

の一般解を求めよ。

[解法]

まずは \( y=e^{\lambda x} \) を基本解と仮定して微分方程式に代入します。

$$ \lambda^4-18\lambda^2+81=0 $$

左辺を因数分解すると

$$ (\lambda+3)^2(\lambda-3)^2=0 $$

よって、

$$ \lambda=-3 , 3 $$

となります。

これら2つの解はそれぞれ重解であることに注意するとこの微分方程式の一般解は、

$$ y(x)=(C_{1}+C_{2}x)e^{-3x}+(C_{3}+C_{4}x)e^{3x} $$

となります。

いかがだったでしょうか

今回は基本解 \( y = e^{\lambda x} \) を仮定することで一般解を求める手順について扱っていきました。

かならず出来るようになりましょう。

ではまた次回=^_^=

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