こんにちわ~~~ヾ(^∇^)
今回は
未定係数法を用いて特殊解を見つける
ことをテーマに進めていきたいと思います。
斉次微分方程式において基本解を \( y=e^{\lambda x} \) と仮定して一般解を求めることはできる前提で話を進めます。心配な方はこちらの記事からご覧ください。↓↓↓
それではやっていきましょう\(^o^)/
非斉次の場合の特殊解の見つけ方
特殊解の見つけ方は単刀直入にいうと
斉次微分方程式として一般解を求めた後、自分で特殊解の形を仮定して微分方程式に代入し、見つける
というやり方です。
特殊解の形は非斉次項の形によります。
こう聞いてもよくわからないので問題を解きながら理解していきましょう。
問題1:非斉次項が定数
以下の微分方程式
$$ y^{\prime\prime}(x)+6y'(x)+8y(x)=4 $$
の一般解を求めよ
[解法]
まずは非斉次項が 0 であると仮定して一般解を求めます。
$$ y^{\prime\prime}(x)+6y'(x)+8y(x)=0 $$
\( y(x)=e^{\lambda x}\) を仮定して代入し、一般解を求めると
$$ y(x)=C_{1}e^{-2x}+C_{2}e^{-4x} $$
となります。
ここからがポイントです。
特殊解を
\( y_{p}= a \)
と仮定して、これを問題1の微分方程式に代入します。
つまり、
$$ y_{p}^{\prime\prime}+6y_{p}’+8y_{p}=4 $$
として代入し、この時の \( a \) を求めるのです。
\( y_{p}’=0 \) , \( y_{p}^{\prime\prime}=0 \) となることから
$$ 8a = 4 $$
となり、
$$ a=\frac{1}{2} $$
が求まります。これより特殊解は \( y_{p}= \frac{1}{2} \) だとわかったので、求めたい一般解は、
$$ y(x)=C_{1}e^{-2x}+C_{2}e^{-4x}+\frac{1}{2} $$
となります。
問題2 : 非斉次項が多項式
以下の微分方程式
$$ y^{\prime\prime}(x)+6y'(x)+8y(x)=4x^2+2x+1 $$
の一般解を求めよ
[解法]
問題1と同様に非斉次項が 0 であると仮定して一般解を求めます。
斉次微分方程式は問題1と同じであるので一般解は
$$ y(x)=C_{1}e^{-2x}+C_{2}e^{-4x} $$
となります。
次に特殊解を
\( y_{p}=ax^2+bx+c \)
と仮定します。
\( y_{p}’=2ax+b \) , \( y_{p}^{\prime\prime}=2a \) なので問題2の微分方程式に代入すると
$$ 2a+6(2ax+b)+8(ax^2+bx+c) = 4x^2+2x+1 $$
$$ \Leftrightarrow 8ax^2+(12a+8b)x+2a+6b+8c=4x^2+2x+1 $$
両辺で係数比較して、
$$ \begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
8a=4 \\
12a+8b=2 \\
2a+6b+8c=1
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} $$
よって、
$$ a=\frac{1}{2} , b=-\frac{1}{2} , c=\frac{3}{8} $$
なので特殊解は
$$ y_{p}=\frac{1}{2}x^2-\frac{1}{2}x+\frac{3}{8} $$
となります。これより今回求めるべき一般解は、
$$ y(x)=C_{1}e^{-2x}+C_{2}e^{-4x}+\frac{1}{2}x^2-\frac{1}{2}x+\frac{3}{8} $$
です。
問題3 : 非斉次項が三角関数①
以下の微分方程式
$$ y^{\prime\prime}+4y=\sin x $$
の一般解を求めよ
[解法]
まずは非斉次項が 0 であると仮定して一般解を求めます。
$$ y^{\prime\prime}+4y=0 $$
この微分方程式の一般解は
$$ y(x)=C_{1}\cos (2x) + C_{2}\sin (2x) $$
となります。
次に特殊解を
\( y_{p}=a\cos x + b\sin x \)
と仮定します。
1階微分、2階微分すると
$$ y’_{p}=-a\sin x +b\cos x $$
$$ y^{\prime\prime}_{p}=-a\cos x -b\sin x $$
となるので、問題3の微分方程式に代入すると、
$$ -a\cos x -b\sin x + 4(a\cos x + b\sin x ) = \sin x $$
式を整理して
$$ 3a\cos x + 3b\sin x = \sin x $$
係数比較して
$$ a=0 , b=\frac{1}{3} $$
となるので特殊解は
$$ y_{p}=\frac{1}{3}\sin x $$
よって今回求めるべき一般解は
$$ y(x)=C_{1}\cos (2x) + C_{2}\sin (2x) + \frac{1}{3}\sin x $$
問題4 : 非斉次項が三角関数②
以下の微分方程式
$$ y^{\prime\prime}+4y=\sin 2x $$
の一般解を求めよ
[解法]
非斉次項が 0 であると仮定したときの一般解は問題3と同様になるので
$$ y(x)=C_{1}\cos (2x) + C_{2}\sin (2x) $$
です。
ここで特殊解を先ほどと同じように仮定して
$$ y_{p}=a\cos (2x) + b\sin (2x) $$
として代入してみます。
$$ y’_{p}=-2a\sin (2x) +2b\cos (2x) $$
$$ y^{\prime\prime}_{p}=-4a\cos (2x) -4b\sin (2x) $$
となるので、問題4の微分方程式に代入してみると、
$$ -4a\cos (2x) -4b\sin (2x) +4\{a\cos (2x) + b\sin (2x) \}=\sin (2x) $$
計算してみると
$$ 0 = \sin (2x) $$
。。。?
なんかおかしくなりましたね。。。
今回、斉次の場合の基本解 \( \{ \cos (2x) , \sin (2x) \} \) と特殊解 \( y_{p}=a\cos (2x) + b\sin (2x) \) が一次従属になっていますね。
このとき、特殊解を代入してもさっきのようにおかしくなってしまいます。
こういうときは先ほどの特殊解に \( x \) をかけたものを特殊解だと仮定しましょう。
つまり
$$ y_{p}=ax\cos (2x) + bx\sin (2x) $$
と仮定するのです。
$$ y’_{p} = a\cos (2x) + b\sin (2x) + x\{ -2a\sin (2x) +2b\cos (2x) \} $$
$$ y^{\prime\prime}_{p} = -4a\sin (2x) + 4b\cos (2x) -4ax\cos (2x) -4bx\sin (2x) $$
これを問題4の微分方程式に代入してみると
$$ -4a\sin (2x) + 4b\cos (2x) -4ax\cos (2x) -4bx\sin (2x)+4\{ ax\cos (2x) + bx\sin (2x) \}=\sin 2x $$
左辺を計算すると
$$ -4a\sin (2x) +4b\cos (2x) = \sin (2x) $$
となるので、
$$ a=-\frac{1}{4} , b=0 $$
これより特殊解は
$$ y_{p}=-\frac{1}{4}x\cos (2x) $$
となるので、求めるべき一般解は
$$ y(x)=C_{1}\cos (2x) + C_{2}\sin (2x)-\frac{1}{4}x\cos (2x) $$
となります。
問題5 : 非斉次項が指数関数①
以下の微分方程式
$$ y^{\prime\prime}(x)+6y'(x)+5y(x)=e^x $$
の一般解を求めよ
[解法]
まずは非斉次項が 0 であると仮定して一般解を求めます。
$$ y^{\prime\prime}(x)+6y'(x)+5y(x)=0 $$
このときの一般解は
$$ y(x)=C_{1}e^{-5x}+C_{2}e^{-x} $$
となります。
では次に特殊解を仮定してみましょう。
今回は特殊解を
\( y_{p} = ae^{x} \)
と仮定します。
$$ y’_{p} = ae^{x} $$
$$ y^{\prime\prime}_{p} =ae^{x}$$
となるので、これを問題5の微分方程式に代入すると
$$ ae^{x}+6ae^{x}+5ae^{x}=e^x $$
式を整理すると
$$ 12a = 1 $$
となるので、
$$ a=\frac{1}{12} $$
と求まります。これより特殊解は
$$ y_{p} = \frac{1}{12}e^{x} $$
となるので、今回求めるべき一般解は
$$ y(x)=C_{1}e^{-5x}+C_{2}e^{-x}+\frac{1}{12}e^{x} $$
となります。
問題6 : 非斉次項が指数関数②
以下の微分方程式
$$ y^{\prime\prime}(x)+6y'(x)+5y(x)=e^{-x} $$
の一般解を求めよ
[解法]
非斉次項が 0 であると仮定したときの一般解は問題5と同様になるので
$$ y(x)=C_{1}e^{-5x}+C_{2}e^{-x} $$
です。
次に特殊解ですが、もし
$$ y_{p}=ae^{-x} $$
と仮定してしまうと、問題4のときと同様に特殊解を方程式に代入した時におかしくなってしまします。(理由は斉次の場合の基本解と特殊解が一次従属になっているからです。)
なので、この特殊解に \( x \) をかけたものを今回の特殊解と仮定しましょう。
\( y_{p}=axe^{-x} \)
が今回の仮定するべき特殊解です。
一回微分、二回微分するとそれぞれ
$$ y’_{p}=a(1-x)e^{-x} $$
$$ y^{\prime\prime}_{p}=a(-2+x)e^{-x} $$
これを問題6の微分方程式に代入すると、
$$ a(-2+x)e^{-x}+6a(1-x)e^{-x}+5axe^{-x}=e^{-x} $$
式を整理すると、
$$ 4a=1 $$
となるので、
$$ a=\frac{1}{4} $$
となります。これより特殊解は
$$ y_{p}=\frac{1}{4}xe^{-x} $$
となるので、今回求めるべき一般解は
$$ y(x)=C_{1}e^{-5x}+C_{2}e^{-x}+\frac{1}{4}xe^{-x} $$
となります。
まとめ : 特殊解の形は非斉次項に依存する!
いかがだったでしょうか(^▽^)
今回の学びは
非斉次微分方程式において、特殊解を自分で仮定することで一般解を求める
というやり方で、特殊解の形は非斉次項の形に依存します。
最後に特殊解の仮定すべき形をざっくりとまとめますヽ(^o^)p

斉次の場合の基本解と特殊解が一次従属ならば特殊解に \(x\) をかけたものを特殊解と仮定する
こんなかんじです!
すこし面倒ですが必ずできるようになりましょう
ではまた(^^)/~~~