べき級数に対する収束円の収束半径の求め方!その意味と具体的な求め方を解説

物理数学

こんにちは!

今回は収束半径と収束円の意味と求め方について扱っていきます。

それではやっていきましょう!

まずはべき級数の簡単な説明をしたいと思います。

いま、無限級数

$$ P(z)=a_{0}+a_{1}z+a_{2}z^2+ \cdots = \displaystyle \sum_{n=0}^{\infty}a_{n}z^n $$

があったとき、この形の級数をべき級数(power series)といいます。

今回はこのべき級数の性質を扱っていきます。

さきほどの話の続きですが、上のべき級数の式を見てもらうとわかる通り、べき級数には次のいずれかひとつが成立します。

(1)すべての \( z \) に対して絶対収束

(2)\( R \gt 0 \) となる \( R \) があるとき、 \( R \lt |z| \) で絶対収束、 \( R \gt |z| \) で発散

(3)0以外のすべての \( z \) に対して発散

この(1)~(3)をまとめてイメージ図で表してみます。

こんなかんじです。

このようにそれぞれの級数はそれぞれ特有の円を持っています。

この円を収束円(circle of convergence)といい、\( R \) を収束半径(radius of convergence)といいます。

基本的な収束半径の求め方はおもに2つあります。

ダランベールの判定法を用いた公式(係数比判定法)

コーシーアダマールの公式

今回はこれらを紹介していきます。

ダランベールの判定法を用いた公式(係数比判定法)

あるべき級数 \(\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty}a_{n}z^n\) の収束半径 \( R \) は

$$ R= \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{|a_{n}|}{|a_{n+1}|} $$

で求められる

この定理はダランベールの収束判定法から導き出すことが出来ます。

では導出してみます。

[導出]

ダランベールの収束判定法より、べき級数が絶対収束するとき

$$ \displaystyle \lim_{n \to \infty} \left| \frac{a_{n+1}z^{n+1}}{a_{n}z^n} \right| \lt 1 $$

が成立するはずです。

この式を変形して、

$$ |z| \lt \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{|a_{n}|}{|a_{n+1}|} $$

となり、\( z ) がこの範囲を満たすときべき級数は収束します。

同様に発散するときも考えます。

$$ \displaystyle \lim_{n \to \infty} \left| \frac{a_{n+1}z^{n+1}}{a_{n}z^n} \right| \gt 1 $$

この式が成立すればいいので、変形をすると、

$$ |z| \gt \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{|a_{n}|}{|a_{n+1}|} $$

となり、\( z ) がこの範囲を満たすときべき級数は発散します。

ゆえに収束半径は

$$ R= \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{|a_{n}|}{|a_{n+1}|} $$

となるわけです。

コーシーアダマールの公式

あるべき級数 \(\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty}a_{n}z^n\) の収束半径 \( R \) は

\( 1/{\infty}=0 \) 、\( 1/0=\infty \) のもとで

$$ R= \frac{1}{\displaystyle \varlimsup_{n \to \infty } \sqrt[n]{|a_{n}|}} $$

で求められる

こちらをコーシーアダマールの公式といいます。

ここで \( c = \displaystyle \varlimsup_{n \to \infty } c_{n} \) とは上極限といい、収束する極値のうち最大値のものをいいます。詳しい内容はこんど記事にしますm(_ _”m)

こちらはコーシーの収束判定法をもとにして導出することが出来ます。

ただ、導出は結構大変なので今回は省略します<m(__)m>(どっかで書きます)

では今回のまとめです。

まず、べき級数とはそれぞれが固有の円をもっていてそれを収束円、その半径を収束半径といいます。

この収束半径には代表的な求め方が2つあり、

ダランベールの判定法を用いた公式(係数比判定法)

コーシーアダマールの公式

です。

今回の記事でなんとなくでもイメージをつかめたらうれしいです!(^^)!

ではまた(^^)/~~~

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