こんにちは!
今回は収束・絶対収束・条件収束を説明していきたいと思います。
ではやっていきましょう!(^^)!
収束・絶対収束・条件収束の定義
①収束の定義
ある無限級数 \( \displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} a_{n} \) があり、この級数の \( m \) 項までの和 \( S_{m}=\displaystyle \sum_{n=0}^{m} a_{n} \) を考えます。
この部分和 \( S_{m} \) が \(m \rightarrow \infty \) で収束するとき、無限級数 \( \displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} a_{n} \) は収束するといいます。
②絶対収束の定義
ある無限級数 \( \displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} a_{n} \) に対して各項の絶対値をとった級数 \( \displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} |a_{n}| \) を考えます。
その級数の \( m \) 項までの和 \( S’_{m}=\displaystyle \sum_{n=0}^{m} |a_{n}| \) を考えたとき、その部分和 \( S’_{m} \) が \( m \rightarrow \infty \) で収束するなら、無限級数 \( \displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} a_{n} \) は絶対収束するといいます。
③条件収束の定義
無限級数のなかで「収束するが絶対収束はしない」ものを条件収束といいます。
絶対収束と条件収束の具体例
絶対収束の具体例;交代級数
絶対収束の有名な例として交代級数
$$ \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{(-1)^{n}}{n^2}=-1+\frac{1}{4}-\frac{1}{9}+\frac{1}{16}+\cdots $$
を考えてみましょう。(ちなみに交代級数とは項の正負が交互に入れ替わる級数のことをいいます。)
この級数の各項の絶対値を取ってみると、
$$ \displaystyle \sum_{n=1}^{m} \left|\frac{(-1)^{n}}{n^2}\right|=1+\frac{1}{4}+\frac{1}{9}+\frac{1}{16}+\cdots $$
となります。
この値は収束するため、この交代級数は絶対収束します。(絶対収束の判別方法は別の記事に書きますm(_ _”m))
条件収束の具体例;交代調和級数
次は条件収束の例として交代調和級数
$$ \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{(-1)^{n+1}}{n}=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\cdots $$
を考えます。(調和級数とは各項の逆数が等差数列となる級数をいいます。)
これは \( log 2 \) に収束することが知られています。
この級数の絶対値を取ってみましょう。
$$ \displaystyle \sum_{n=1}^{m} \left|\frac{(-1)^{n+1}}{n}\right|=1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\cdots $$
となり、こちらは発散することが知られており、絶対収束はしません。
つまりこの交代調和級数は収束はするが絶対収束はしないため条件収束するといえます。
↑この条件収束というのは項の並べ方を変えると級数の極限値が変わったり発散したりと非常にめんどうです。”(-“”-)”
絶対収束するものは収束する!
収束はしても絶対収束はしないもの(条件収束)はありましたが、その逆の絶対収束はして収束はしないものはありません。
絶対収束するものは必ず収束もする
ということがいえます。
証明はコーシー列によってできます。
[証明]
$$ \left| \displaystyle \sum_{n=0}^{m} a_{n}\right| \leqq \displaystyle \sum_{n=0}^{m} |a_{n}| $$
となることから、絶対収束するとき、 \( \displaystyle \sum_{n=0}^{m} |a_{n}| \) はコーシー列であり、これにより \( \left| \displaystyle \sum_{n=0}^{m} a_{n}\right| \) もコーシー列です。
つまり、 \( \displaystyle \sum_{n=0}^{m} a_{n} \) は収束することがわかります。
まとめ
いかがだったでしょうか!(^^)!
絶対収束の判定法にはコーシーの判定法・ダランベールの判定法・コーシーの積分判定法があります!!
次回はこれらについて扱っていこうと思います。
ではまた(^^)/~~~