無限級数における絶対収束の判定法①コーシーの判定法とその証明

物理数学

こんにちは!(^^)!

今日は無限級数の絶対収束の判定方法の1つであるコーシーの判定法についてやっていきたいと思います!

絶対収束ってなに?という方はまずこちらをご覧ください↓↓↓

それではやっていきましょう!

無限級数 \( \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_{n} \) があったとき、その正項級数 \( \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} |a_{n}| \) の収束性は

$$ \displaystyle \lim_{n \to \infty} (|a_{n}|)^{1/n} = r $$

に対して

\( r \lt 1 \) なら収束

\( r \gt 1 \) なら発散

\( r=1 \) の場合は収束も発散もあり得る

となります。 

ではこのコーシーの収束判定法を証明してみます。

$$ \displaystyle \lim_{n \to \infty} (|a_{n}|)^{1/n} = r $$

とおきます。

(1) \( r \lt 1 \) のとき

十分大きな \( n \) において

$$ (|a_{n}|)^{\frac{1}{n}} \lt q \lt 1 $$

となる \( q \) が存在します。

この式を少し整理して

$$ |a_{n}| \lt q^n \lt 1 $$

となります。

ここでこの \( q^n \lt 1 \) 部分に注目してみると \( n \rightarrow \infty \) すると収束するため、それより小さい \( |a_{n}| \) も収束します。

(2) \( r \gt 1 \) のとき

十分おおきな \( n \) において

$$ (|a_{n}|)^{1/n} \gt q \gt 1 $$

となる \(q \) が存在します。

これを少し整理すると

$$ |a_{n}| \gt q^n \gt 1 $$

となります。

ここで \( q^n \gt 1 \) の部分に注目してみると \( n \rightarrow \infty \) すると発散するため、それより大きい \( |a_{n}| \) も発散します。

これにて証明ができました!

ではコーシーの判定法をもちいていくつか問題を解いてみたいと思います。

①絶対収束の例

無限級数

$$ \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{3^n} = \frac{1}{3}+\frac{1}{3^2}+\cdots $$

が絶対収束するかどうか確かめよ

[解き方]

コーシーの判定法を用いて

$$ \begin{eqnarray}
& & \displaystyle \lim_{n \to \infty} (|a_{n}|)^{1/n} \\[7pt]
&=& \displaystyle \lim_{n \to \infty} \left(\frac{1}{3^n}\right)^{1/n} \\[7pt]
&=& \frac{1}{3}
\end{eqnarray} $$

\( \frac{1}{3} \) は1より小さいのでこの級数は絶対収束します。

②発散の例

無限級数

$$ \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \left(\frac{n}{2} \right) = \frac{1}{2}+1+\left(\frac{3}{2}\right)^3+\cdots $$

が絶対収束するかどうか確かめよ

[解き方]

コーシーの判定法を用いて

$$ \begin{eqnarray}
& & \displaystyle \lim_{n \to \infty} (|a_{n}|)^{1/n} \\[7pt]
&=& \displaystyle \lim_{n \to \infty} \left\{ \left(\frac{n}{2}\right)^{n}\right\}^{1/n} \\[7pt]
&=& \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{n}{2} \\[7pt]
&=& \infty \\[7pt]
\end{eqnarray} $$

よってこれは発散しているため、この級数も発散します。

いかがだったでしょうか!(^^)!

コーシーの収束判定法のほかにもダランベールの判定法コーシーの積分判定法があるため、次回はそれを扱っていきます!

ではまた(^^)/~~~

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